むち打ちで後遺障害等級をとる |
交通事故で頸椎を損傷した場合大きく「頸椎捻挫型」と「神経根型」とが見られる。
可動域制限が出たり動かすと痛い,押すと痛い、叩くと痛いなどの局所的所見(捻挫型)にと
どまらず、反射、知覚、筋力などに神経学的所見(神経根型)が見られることがしばしば見ら
れます。
多くの医師は、交通事故など外傷でこの神経が痛んでいるか否かを様々なテストをしなが
ら診ていくことしています。(赤い本2011下巻108頁~121頁)
追突事故の「むち打ち」被害者が後遺障害認定を獲得するには |
後遺障害認定を受けるには、
その症状が筋肉などの炎症だけのものでなく神経に原因を有する症状である必要があります。
神経に異常がない症状に関しては、筋肉痛や肩こりと同様の性質のものですから後遺障害認定の対象とはなりません。(ただし、「捻挫型で神経根障害がない人でも『手がしびれる』と言う方は結構多い」:上記赤い本121頁)
この場合は適切にリハビリを受ければ、概ね3ヶ月程度で完治するものとされており、それで完治しない場合は、普段の生活や仕事の中で無理をしていたり、 逆に過保護になりすぎることで筋肉が衰えていることが原因であると考えられています。
痛みが生じない範囲で適切に筋肉を使うことが治療には不可欠です。
この努力を怠っている場合は3ヶ月では治りませんが、 これによる治療の長期化を加害者への賠償として請求することは出来ません。
神経のダメージ
むち打ちによって神経がダメージを受け、神経症状が出ている場合には、後遺障害認定の対象となります。
ダメージを受ける神経としては、脊髄あるいは脊髄から末梢神経に向かう出口に当る神経根が挙げられます。
その他、神経根から抹消神経に向かう腕神経叢や、 肘や手首付近を損傷している場合は末梢神経の損傷があることもあります。
脊髄が損傷を受けている場合、全身の各所に麻痺の症状が起こります。
むち打ちによる脊髄損傷の場合は、中心性脊髄損傷による不全損傷である場合が多く、
この場合の症状は、主に上肢に現れ、 軽度の場合は頚椎の神経根症状との区別が付けづらく、診断漏れになっていることがあります。
多くの場合は神経根の圧迫による腕や手・指先の痺れを伴う症状となります。
これはむち打ちの衝撃によって首の骨と骨の間の軟骨(椎間板)がヘルニアを起こし、
そのヘルニアが神経根を圧迫することによって起こる症状で、 症状が酷い場合には手術適応となることもあります。
被害者の方の多くが誤解される部分として「ヘルニアと診断されれば後遺障害認定が受けられる。」 「ヘルニアが事故によって起きたことを主治医に証明してもらわなければならない」など、 ネットで得られる情報を上辺だけ理解して誤解している被害者を多く見かけます。
むち打ちで後遺障害認定を受けるためには、最低限このヘルニアについての知識は必須と言えるでしょう。
何番目の椎間板がどの神経を支配しているかということも正しく掌握していないと、医師の神経学的検査の技術によっては正しく異常所見を得ることは出来ませんし、 頚椎MRIで異常所見が得られない場合には、 その他の周辺疾患に関する知識も有していないと適切な扱いは受けられません。
整形外科医でも、むち打ちに関しては正しい知識を持っていないのです。
そのため、必要に応じて主治医任せではなく患者主導で診療内容を選択して行かなければならないのです。
むち打ちは医師でも詳しくはない
この「医師でも実は詳しくない」ということを、むち打ち患者は充分に認識しておく必要があります。
整形外科の多くは、骨折専門であり神経に関して詳しくない医師が多いのです。
その「医師でも知らないことが多い知識」について、むち打ち患者は正しく知っておく必要があるのです。
だから、ほとんどのむち打ち患者は正当な後遺障害認定を受けていないのです。
専門家は、あなたの経験と理論を補い正当な損害獲得の強固な支えです。知っていれば勝ち取れるのではありません。
相手より熟知して始めて、勝利を収めることができるのです。
それが、示談です。
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