只今加筆中です、ご了承ください 大塚
脳外傷による高次脳機能障害 |
脳外傷に起因する交通外傷被害者に正当な後遺障害認定を!
交通事故の被害者に一見明白な脳表面の損傷がないにも関わらず、人格変性や認知障害が生ずる場合があります。被害者が内因性疾患でもなく、脳以外の軽微な神経症状でもなく、脳外傷に起因する交通外傷被害者となっているのです。
こうした交通事故被害者を高次脳機能障害として正当に後遺障害として認定し、救済する仕組みが未だ不十分です。
こうした交通事故被害者を高次脳機能障害として正当に後遺障害として認定し、救済する仕組みが未だ不十分です。
交通事故で脳損傷を受け、意識不明状態に陥ったが、集中治療などの結果、奇跡的に意識を回復し社会復帰したところ、事故前と比較し人格や性格に変化をきたし、記憶保持などの知的側面にも異常が有って就労できない状態が継続している被害例が存在しています。
高次脳機能障害の典型的な症状 |
1)認知障害
記憶、記銘力障害、集中力障害、遂行機能障害、判断力低下、意識欠落
2)人格変化
感情易変、不機嫌、攻撃性、暴力、幼稚性、羞恥心の低下、多弁(饒舌)、自発性・活動性
の低下、病的嫉妬、ねたみ、被害妄想等
外傷性高次脳機能障害と言えるための目安 |
1)交通外傷による脳の受傷があること
外力作用による脳の器質的病変が生じていることを言うのですが、単なる非器質的精神障害
とは区別されます。
自賠責によるこの認定では、画像所見がとりわけ重視される現状です。
2) 画像所見による認定
CTでの継続的観察による脳出血(硬膜下血腫・くも膜下出血の存在とその量の増大)やMRI画像
による脳挫傷痕 の存在の確認が有れば、外傷に伴う脳損傷の存在が確認されやすいと言えます。
3)しかし、CTやMRIのような脳組織の形態や組織状態を撮影する検査方法ではDAI(びまん性軸索損傷)
の発症を確認することは困難なことが多いのが現状です。
4)最近、CT、MRI以外の手法により脳外傷の発生を確認できるものはないか、と訴訟などにおいても工夫
や努力が重ねられていますが、自賠責実務の扱いは従来の通りで変更はありません。
5)現在の自賠責の認定基準
現在のところ、自賠責保険高次脳機能障害審査会の実務処理としては、CT、MRIによって確認される異常
所見をもって脳の器質的損傷の有無を判断する取り扱いが継続されています。
※高次脳機能障害は、MTBI(軽度脳外傷)とは異なります。
なぜなら、高次脳機能障害は、脳の器質的損傷の存在することが前提とされているからです。
MTBIは、自賠責や、労災の基準に満たないものとされ、後遺障害等級認定はありません。